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受講生・卒業生限定セミナー「人と犬が共に幸せに暮らすために」

一年間、約10万頭。この数字、なんだと思います?

何らかの理由で保健所や動物愛護センターに持ち込まれて、止むなく殺処分を受けた犬の頭数です。
ペットブームと言われて久しい昨今ですが、その裏にこんな悲しい現状があることに目をつぶってはいけません。
 
日本動物福祉協会では、殴る蹴るなどの虐待を受けている犬や、ごはんやお水などの世話をされていない犬、引越しなどの理由により飼い主から放棄された犬たちの出来る範囲の救出や新しい飼い主を見つけるための様々な活動をしています。
保護された犬たちがスライドで紹介されていましたが、首輪が首に食い込んでいたり、自分の糞尿にまみれて目が開けられなかったり…。そんな精神的にも肉体的にも傷ついた犬たちを癒すことができる一番の方法は、愛情たっぷりの新しい飼い主を見つけてあげて、安全で快適な環境を与えてあげること。
 
山口さんたちがシェルターワーク(保護された犬たちを世話して新しい飼い主を見つける活動)で最も重要視していることは、「マッチング」。すなわち“責任ある飼い主希望者と犬との相性”だといいます。その子が新しい家庭で幸せに暮らせるか?だけではなく、迎え入れた家族の希望やライフスタイルにも合わなければ、本当の意味で人と犬が幸せに暮らすことができないと考えるからです。 
 
また「多頭飼育の現状」も、身近に感じる問題のひとつでした。
よくニュースなどで、捨て犬を何十頭も引き取って暮らすが、きちんと世話や管理ができずに苦情がくる…というケースを耳にしますよね。
実はあれも問題の根本は「個人の能力を超えた動物飼育」にあるというのです。
初めは「犬がかわいそう」という気持ちで保護したのでしょうが、それがそのうち個人で飼育できる頭数の限界を超え、動物と暮らす上での社会的責任が果たせなくなってしまっている状態です。「動物がかわいそう。でも人間や社会はどうでもいい」という考えでは、人間と動物の社会共生はいつまでたってものぞめない、ということがよくわかりました。
 
質疑応答を含めて約2時間半の充実した時間の中で、山口さんから最も強く受け取ったメッセージは、「すべての動物の“いのち・幸・不幸”は、人間の意思にゆだねられている」ということでした。
それは決して人間の傲慢さから語られているのではなく、動物たちの基本的ニーズ(適切な環境・適切な食事・通常の行動パターンを表現する・他の動物と一緒または離れて生活する・痛み、苦痛、外傷や疾病から守られる)を満たすための義務が私たちに課せられているということなのです。
 
「人と犬が幸せに暮らすために…」参加者が見つけた答えは、おそらくひとりひとり違うでしょう。けれど正しい知識と理解の上で、今後も犬を取り巻く環境について問題意識を持ち続けていくことが必要だと感じました。
 
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    (社)日本動物福祉協会
       山口 千津子 氏

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    セミナーの様子①

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    セミナーの様子②

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